国内の法律は憲法が最も上位にあると言われます。
これは、憲法が自ら最高法規と言っているだけが理由ではありません。
憲法の成立を考えたとき、なぜ憲法に抵触する法律に効果が無いかが理解できます。
憲法をはじめとする人権憲章と言われるものは、封建社会から近代市民社会に移行する理由と同じです。
権力者が恣意的に刑罰をしたり課税したりしたことへの人民の反抗です。
ここで権力者が恣意的に刑罰や課税ができないルールを作る必要がありました。
日本国憲法第31条では、いわゆる適正なる手続きが定められています。
権力者が国民の基本的人権を制約する場合には、法律に定められた手続きを経なければ無効であるということです。
さらに、この手続きは憲法の趣旨に合致したものでなくてはなりません。
刑罰の関してこの考え方を体現したものが、刑事訴訟法です。
犯罪は刑法典に規定された犯罪を違法に責任をもって行われた場合に成立しますが、この行為に対して刑罰を科すには、捜査着手から裁判までの一連の当局の手続きは憲法に定める理念によらなければならないことを具体化した手続法です。
冤罪にならないように、被疑者や被告の人権を守りながらも真実を見出すことが望まれます。